トラブルと対策について
株式会社アスト

大規模修繕工事でのトラブルと対策について

大規模修繕工事を安全に終えるためには、「トラブルが起こらないようにする」だけでなく、「トラブルを想定して先回りする」ことを、意識することが大切です。

居住者とのトラブル

最も起きやすいトラブルは、マンションの居住者とのトラブルです。

居住者とのトラブル例

  • 事前に通知されていない箇所の工事が始まった
  • 説明会での説明よりも長い期間の工事になっている
  • 直前の通知もなく突然ベランダの工事が始まり、プライバシーの侵害になっている
  • 業者の荷物や車が邪魔で通行できない
  • 想像以上の騒音と異臭で生活できない
  • 修繕積立金が不足しているが、一時金の徴収に住民が納得しない
  • 工事に非協力的な住民が工事を妨害している

対策

居住者とのトラブルの多くは、コミュニケーション不足によって発生します。工事の工期や目的を説明会だけでなく、工事前・工事中にしっかりと伝え、工事後は居住者の協力に感謝をしたりと、徹底したコミュニケーションを取ることで回避することが可能です。

また、管理会社と施工会社の中で、あらかじめ居住者からのクレームを汲み取る仕組みを構築し、情報を共有することで、早めに居住者の不満や不安を取り除くことが可能です。

施工会社とのトラブル

施工会社とのトラブルは、主に費用、工事品質、スケジュールの変更などで起こります。

施工会社とのトラブル例

  • 施工品質が悪く、数年で壁にヒビが入るなどした
  • 工事期間が大幅に遅れた
  • 施工会社の対応が悪く、住民からクレームが多発した
  • 事前に十分な説明がなく、追加の工事費を請求された
  • 契約後に倒産などで、工事が行えない状態なった

対策

施工会社とのトラブルの多くは、事前の情報収集不足が原因で起こりやすくなります。工事の見積もりや工事内容の説明などは複数の会社から説明を受け、契約内容については、専門の弁護士などに精査してもらい契約を交わすようにしましょう。

施工品質の低下を防ぐには、第三者の施工監理者などを設置し、中立的な立場で施工品質をチェックする「設計監理方式」をおすすめします。また工事後の不良に備え、瑕疵保険に事業者登録している会社に依頼することが望ましいです。

マンション外部とのトラブル

大規模修繕工事のような長期間の工事の場合は、騒音などで周辺住民とのトラブルが発生することがあります。

マンション外部とのトラブル例

  • 騒音が周辺の住宅まで響き、クレームになる
  • 工事車両が頻繁に出入りすることによる安全性やホコリの問題でクレームになる
  • 工事ミスにより水道管などの不具合が周辺住宅にまで及んだ
  • 設置された足場から空き巣が入り、強盗事件が発生した

対策

マンション外部とのトラブルを防ぐためにも、工事前に周辺住民の方へ報告を行い、騒音や臭いが発生する期間を詳細に伝えておく必要があります。

また周辺住民の方のクレームをすぐに受け取り対策できるように、窓口や連絡先を周辺住民の方に伝えておきましょう。このような情報を施工会社と共有する仕組みづくりも大切になります。

マンションの周りに足場が設置される期間は、高層階であっても空き巣が侵入する可能性があります。施工会社の防犯対策や住居者への防犯に対する説明を十分に行いましょう。